企業情報

社員座談会

たしかな技術力を磨き、地域社会と共生する

プロフィール(担当業務含む)

小笠原 勇斗(小岩井工場 製造部 発酵乳充填包装係 係長)

経歴・業務内容
2019年キャリア入社、小岩井工場製造部ヨーグルト係に配属となる。2024年からは発酵乳充填包装係の係長となる。現在は、これまでの経験を活かし、発酵管理から充填包装まで幅広く活躍している。
小岩井の好きなところ
商品のおいしさと品質。小岩井工場は小岩井農場の敷地内にあるため、自然の心地よさを感じられるところ。
趣味
子どもと遊ぶこと

佐山 芽吹(技術開発センター 商品開発ユニット)

経歴・業務内容
2019年新卒入社、小岩井工場品質管理部に配属となる。2020年より技術開発センター商品開発ユニットへ異動。ヨーグルトをメインで担当し、処方検討や上市に向けたリスク検証、サンプル作成など新商品からリニューアルを含めたまで商品の中味開発を担っている。
小岩井の好きなところ
商品ひとつひとつへのこだわりが強いところや自然由来のナチュラルさ、商品のおいしさ。
趣味
バイク、キャンプ

鈴木 健史(生産R&D・SCM本部 生産部 生産管理担当)

経歴・業務内容
2020年新卒入社、東京工場菌体製造部に配属となる。2024年より生産部へ異動し、工場製造部の窓口として製造計画の策定、研修対応、委託元との会議運営等をおこなっている。
入社の決め手
大学で学んでいた乳製品に関する知識を生かしたいと考え、特に商品を好きだと感じた小岩井乳業へ入社を決めた。
趣味
身体を鍛えること、漫画集め

※部署名は取材当時のものです。

小岩井乳業の「ミルクツリー」の特徴と地域社会への貢献

鈴木

私たち乳業メーカーは、牛から搾られた生乳を原料として様々な加工技術で牛乳、チーズ、ヨーグルト、バターなどの製品をつくり出しており、この過程は一般的に「ミルクツリー」と呼ばれます。私たちにとって、酪農家さんからいただいた乳を余さずに使用するためにこの「ミルクツリー」でどんな製品をいつどのくらい製造するかを考えることは大事な使命のひとつです。特に小岩井乳業では、乳を余すことなく使用できるよう独自原料を使うことを大切にしています。例えば、無脂肪の製品をつくる際に産出されるクリームでバターをつくるなどはもちろん、バターを製造する際に産出されるバターミルクを加工して、マーガリンの原料として使用したりもしています。私は大学で乳製品について学んでいたのですが、初めて知ったときには「バターミルクまで捨てずに商品に活用するなんて」と感動したことを覚えています。また、私は今年から工場の生クリームなどの乳加工品担当の窓口となり、製造部と協力しながら予算策定に関わったのですが、製造する商品の季節性や生み出される副原料の活用も計算しながら複雑なパズルのように計画を組み立てることは、とても難しい仕事でした。だからこそ年末に実績が出て予定との乖離が少なく乳の加工を実施できたときは、非常に達成感がありました。

佐山

技術開発センターでは、乳を余すことなく使えるように多品種の中味開発業務を行っており、私自身も、牛乳は牛が赤ちゃんに飲ませるものをいただいているという意識を持っています。入社間もないころに酪農家さんの見学に伺う機会があり、牛を365日大切に育てている様子や、酪農家さんのお話を実際に聞いたことによって「いただいた乳は無駄にしたくない」と思ったことが原体験です。この考えの元、独自原料を使用した中味開発や、できる限り添加物を使用せずに乳元来の濃くておいしい素材の味を活かしたものづくりを行っています。

小笠原

小岩井工場では、東北地方の学校給食の牛乳も製造しているのですが、長期休暇中など学校給食がない時期でも日々の搾乳量は変化しないため、余った乳を小岩井工場で受入れ、長期保存のできるバターなどに加工する、ということもしています。このように小岩井工場では自社分だけでなく東北地方全体の乳の受け入れや調整も行っており、地域社会への貢献という使命感も持ちながら働いています。

なぜ乳の魅力を最大限に引き出すことができるのか

鈴木

ヨーグルトの発酵技術や原材料へのこだわりに由来していると思います。乳は不安定性を伴う自然原料であるため、一般的なヨーグルトだと脱脂粉乳の量で成分を調整して味を安定させることが多いです。しかし、「小岩井 生乳(なまにゅう)100%ヨーグルト」の場合、原料は生乳のみのため、成分の変化を複数の乳酸菌の掛け合わせや発酵技術でカバーするチャレンジを続けています。商品の製造に対する工夫や技術が脈々と積み重なっていることが大きいと考えています。

小笠原

夏と冬では生乳の成分が変化するのですが、年間通して安定した品質の商品をお客様へお届けするため、ヨーグルトの製造現場では時期によって製造条件を変えています。例えば、「小岩井 生乳(なまにゅう)100%ヨーグルト」は岩手と埼玉の2工場で製造していますが、それぞれで製造した製品を送りあい、社内で認められた「官能マイスター」が両者の品質に差異がないか評価を実施します。私はこの官能マイスターとして評価結果を現場にフィードバックするとともに、オペレーターとしてその時々に最適な製造条件を設定する役割も担っています。私たちがもつ製造技術を駆使して年間通して安定した商品をお届けすることは、会社として大切にしているお客様本位にも繋がっていると考えます。

佐山

商品開発担当としても、開発の範囲が広いのは大きな特徴だと思います。小岩井乳業の商品開発担当では、色々な製品カテゴリーを担当することで様々な開発経験ができるように、2~3年で担当商品のジョブローテーションを行う仕組みがあります。私もヨーグルトの他にチーズや乳飲料も担当していますが、他のカテゴリーの知識をヨーグルトへ横展開することができるので、自身の経験値向上に繋がっています。乳原料全般に携わる機会があるのは少人数だからこそ実現可能だと考えており、キャリアとしても非常に魅力を感じています。

仕事をするうえで大切にしていること

小笠原

オペレーターとして業務を行っているときは、「不良品を出さないこと」を意識して行動しています。お客様に安心安全な商品をお届けするよう、少しでも不安になった場合には絶対に出しません。また、ヨーグルトの酸味やゆるさに関しても、製品化の基準規格の下限に近いものではなく、一番いい状態の商品になるように心がけて日々製造しています。係長としてメンバーマネジメントをしているときは、小岩井乳業らしい品質意識を後世に繋げていけるよう、メンバーに伝えています。

佐山

製品化する流れとしては、マーケティング部が設計した商品企画書をもとに、私たち開発ユニットが中味の開発をおこないます。より良い商品をつくるため、企画書を待つのではなく「この商品コンセプトだと小岩井乳業のこの独自原料も使えそう」というように、自分たちから提案しようという心持ちで開発目線の意見を持つことを私は特に意識しています。多数の商品カテゴリーをローテーションで担当できるからこそ、商品に合わせた独自原料の活用法の知識も増えるため、開発ならではの情報や技術を活かしたいと考えています。マーケティング部が設計した商品コンセプトをベースに、こちらからした提案が商品開発に加えられることもあるため、中味のプロとして商品に込められた想いを形にしていくことを心がけています。

鈴木

生産部の仕事は製造委託元や製造現場の架け橋となる役割です。沢山の人の心を動かしながら巻き込むために、「なぜやるのか」のストーリーをしっかり伝えることと、現場に行って直接コミュニケーションをとることを大切にしています。これは自分自身が製造現場で働いていた経験から得たものです。他には、製造現場に所属していた際には展示会に同行して最新の技術導入を検討したり、現部署では社内外から情報を収集したりと、日々知見のアップデートも大切にしています。

仕事のやりがいと今後挑戦したいこと

小笠原

「安心安全な商品を製造し、お客様にお届けする」ことを大切にしているため、自分が製造した商品がスーパーに並んでいるのを見るとやりがいを感じます。現在はヨーグルトをメインに担当しているため、今後はまだ経験していない乳製品の製造等に携わり、製造技術や知識をより深めていきたいです。

鈴木

私が製造現場で業務をしていた頃、製造ラインが立ち上げ直後だったためトラブルが多くあったのですが、自ら手を動かし考えることで学びたいという思いから、トラブル時には特に主体的に動くよう意識していました。機械の構造を知ったときやトラブルの原因仮説がぴったりはまったとき、コスト削減に貢献できたときに非常にやりがいを感じていました。私は現場仕事が好きなので、今度は管理側として工場の製造業務に携わりたいと考えています。

佐山

商品開発センターの一員として仕事をする中で沢山の部署と関わりができ、ステークホルダーの方も含めて1つの商品にたくさんの思いが込められていることを知りました。添加物をなるべく使わずに乳を余すことなく活用したいというのは、私個人の目標でもあるため、先人の想いを引継ぎながら、今後はもっと商品の幅を広げて開発をおこなっていきたいと思っています。