ホーム 企業情報 ニュースリリース
ニュースリリース
NEWS RELEASE  
2006年12月20日
KOIWAI NEWS LETTER Vol.4
「小岩井 生乳100%ヨーグルト」開発秘話
~手間・隙をかけた、こだわりのヨーグルト~
プレーンヨーグルトでは最後発の「小岩井 生乳100%ヨーグルト」

小岩井乳業初のプレーンヨーグルト「小岩井 生乳100%ヨーグルト」は、1984年に発売いたしました。当時、既に各社からプレーンヨーグルトが発売されており、業界内では最後発でした。
プレーンヨーグルト市場は、拡大が期待できる市場として注目を集めていましたが、同時に価格競争が激しい状態でした。

<当時既に発売していたプレーンヨーグルト(例)>
・明治乳業 「明治ブルガリアヨーグルト」 1973年発売
・森永乳業 「森永ビヒダスヨーグルト」 1978年発売
・雪印乳業 「ナチュレ」 1979年発売

開発の背景

価格競争に左右されないためにも、小岩井乳業独自のプレーンヨーグルトの開発が必要でした。
原料、味覚、組織、パッケージの4点に徹底的にこだわることで、他社製品との差別化を図りました。

<当時のプレーンヨーグルトの特徴>
1. 原 料 脱脂粉乳
2. 味 覚 酸味が強い
3. 組 織 ハードタイプ
→ <小岩井 生乳100%ヨーグルト>
1. 原 料 生乳100%
2. 味 覚 酸味がやわらかい
3. 組 織 ソフトタイプ


[1] 原料【生乳を100%使用したヨーグルト】

当時、生乳を100%使用しているプレーンヨーグルトはなく、脱脂粉乳やクリームを使用したものが主流でした。脱脂粉乳とクリームを使用したものはすぐに固まりますが、乳本来の味わいが生きません。
小岩井乳業では、牛乳の風味を生かしたヨーグルトをつくるために、業界で初めて生乳を100%使用しました。

高前田Photo 高前田(当時の商品開発担当)

生乳は、とてもデリケートで扱うのが難しい原料です。
季節によって脂肪分など質がまったく異なります。
製造過程での温度の調節や、発酵時間の調整など、1年を通して同じ味わいに仕上げるための技術を身につけるのには大変苦労しました。


[2] 味覚をつくる【砂糖を入れなくても食べられる、酸味のやわらかいプレーンヨーグルト】

当時のプレーンヨーグルトは酸味が強いため、砂糖を入れて食べるのが主流でした。
“おいしいから食べる”のではなく、“健康のために食べる”という消費者が少なくありませんでした。
「我慢して食べるのではなく、“おいしいから食べる”ヨーグルトをつくりたい」
そんな思いから、“酸味のやわらかいヨーグルト”が生まれました。

林Photo 林(当時の商品企画担当)

私は、すっぱいものが苦手で、当時のプレーンヨーグルトが食べられませんでした。また、他社のヨーグルトで目隠し調査を行った結果、すっぱみが少ないヨーグルトの支持が高かったことも、酸味のやわらかいヨーグルトを開発した大きなきっかけです。

<酸生成の弱い乳酸菌>
酸味のやわらかいヨーグルトをつくるためには、乳酸菌の選定が最も重要です。
ヨーグルトの酸味は、発酵の際に乳酸菌がつくり出す乳酸がもとになっています。
使用する乳酸によってつくり出される乳酸の量が変わるため、酸生成の弱い乳酸菌を探すことから研究はスタートしました。

・ビフィズス菌と相性の良い乳酸菌
当時、ビフィズス菌の使用を決めていました。
ビフィズス菌は酸に弱いため、一緒に使用するほかの乳酸菌がつくり出す酸により死滅してしまうこともあります。理想の風味を実現させるだけでなく、生きているビフィズス菌を腸に届けるためにも、酸生成能力の低い乳酸菌が必要でした。

・冷蔵保管中の酸生成
乳酸菌は、発酵後も酸の生成は継続します。
酸生成の強い乳酸菌を使用していると、冷蔵保管していてもしだいに酸味が強くなります。
目的とした風味を維持するために、発酵からヨーグルト完成、冷蔵保管中に至るまで、乳酸菌の生育温度、酸生成能力、ヨーグルトの風味、ビフィズス菌の生残性について調査をすることで、100種以上の中から最適な乳酸菌を探し出しました。

<こだわりの長時間発酵>
酸味のやわらかいヨーグルトをつくるために厳選した乳酸菌は、ヨーグルトが出来上がるまでに長時間の発酵が必要でした。また、やさしい牛乳の風味をだすためにはゆっくりと発酵させ、発酵臭を抑えなくてはなりません。
発酵時間は、生産量に大きく影響します。そのため、一般的には長時間発酵の必要な乳酸菌の使用を避ける傾向があります。
「小岩井 生乳100%ヨーグルト」で使用している乳酸菌は、十数時間かけてじっくりと発酵します。
量に限りはあるものの、<おいしいヨーグルトづくり>のために長時間の手間ひまをかけ、ていねいに生産します。現在でも長時間かけた製法は変わっていません。


[3] 組織をつくる【なめらかなソフトタイプのヨーグルト】

ヨーグルトには、容器に充填してから発酵させる「後発酵」のものと、発酵させてから容器に充填する「前発酵」の2種類の製法があります。
「前発酵」タイプのヨーグルトは専用の発酵用タンクが必要となり、一度に多くの量を生産できません。そのため、現在も「後発酵」が主流となっています。
「小岩井 生乳100%ヨーグルト」は、なめらかな組織をつくるために「前発酵」製法を採用しています。専用のタンクで発酵させた後、出来上がったヨーグルトをタンク内で一度攪拌します。さらにフィルターを通して容器に充填するため、口当たりのなめらかなソフトタイプのヨーグルトが実現しています。
 また、安定剤を一切使用していないため、安定した組織をつくるためには、撹拌の強さ、温度の調節など高度な技術を必要としています。
ヨーグルトPhoto


[4] パッケージ【業界で唯一の三角型のパッケージ】

組織のなめらかさを生かし、スプーンですくうのではなく、そのまま注げるパッケージを追求した結果、現在の三角型のパッケージが誕生しました。
三角形の角は、残ったヨーグルトをかきだせるよう、スプーンの柄に合わせて角度を調整しています。
また注ぎやすいように、メインターゲットである主婦の平均的な手の大きさに合わせてパッケージの外周を決めました。
当時開発した三角型パッケージの形状は、発売から22周年を迎えた現在でも業界唯一です。

初代パッケージ 2代目パッケージ 3代目パッケージ
[初代パッケージ] [2代目パッケージ/96年~] [3代目パッケージ/04年~]


当時、開発を担当したのは私たちです
林Photo   林 洲平 
(はやし しゅうへい)
小岩井乳業株式会社
営業部長
1954年9月24日生まれ。
1980年小岩井乳業入社
「生乳100%ヨーグルト」の開発に商品企画担当として携わる。
  高前田Photo   高前田 信幸 
(たかまえだ のぶゆき)
小岩井乳業株式会社
製造部長
1954年12月27日生まれ。
1978年小岩井乳業入社
「生乳100%ヨーグルト」の開発に商品開発担当として携わる。
こだわりの味わいを出すために、とにかく手間と時間がかかっています。開発時の技術・商品開発のリーダーは、現キリンビール会長の荒蒔康一郎氏、マーケティングのリーダーは、現明治屋社長の米井元一氏でした。お二人を含め、五人で開発に取り組みました。
当時は、ビフィズス菌のハンドリング技術習得でキリンビール高崎研究所には大変お世話になりました。商品化が実現でするまでの2年間、度重なる失敗と、皆で寝る時間を惜しんで開発にあたったことが思い出されます。


[ TOPIX ] 「じっくり生乳!!ファン200%プロジェクト」発足

小岩井乳業では、発売から22周年を迎える「小岩井 生乳100%ヨーグルト」をより多くの消費者に食べてもらうために、全社を挙げた「じっくり生乳!!ファン200%プロジェクト」を発足しました。
“みんなが生乳広報担当”をスローガンに、部署や営業場所を問わず、社員一人ひとりが「小岩井 生乳100%ヨーグルト」のおいしさを伝えることで“生乳ファン”の拡大を図ります。
同プロジェクトでは、1984年の発売当時、商品企画担当として開発に携わった林(現営業部長)を筆頭に、全国各支店が一丸となって、2009年度には累計売上高200%増(対2006年度)を目指します。

「じっくり生乳!!ファン200%プロジェクト」リーダー 林 洲平

「小岩井 生乳100%ヨーグルト」は、2007年で23歳になります。
スローペースではありますが、50代以上のロイヤルユーザーを中心に“生乳ファン”は増えつつあります。
また、店頭での積極的なプローモーションが効を奏し、2006年8月には過去最高の売上げ数を記録しました。

 しかし、マーケティング調査を行ったところ、「小岩井 生乳100%ヨーグルト」の認知度は、まだまだ低いのが現状です。
 このプロジェクトを通して、手間と時間をかけてつくるからこそ出せる「小岩井 生乳100%ヨーグルト」のおいしさを、より多くの人に知ってもらい、“生乳ファン”をさらに増やしたいと考えています。

2007年度は、
・より多くの人に知ってもらう→販路の拡大
・より多くの人に試してもらう→購入のきっかけづくり
上記2点を、当面の目標として活動していく予定です。
  林Photo



◆「小岩井 生乳100%ヨーグルト」について

原料・製法にこだわった「小岩井生乳100%ヨーグルト」は1984年に誕生し、発売20年を超えるロングセラー商品です。

原料 ~こだわりの生乳100%
ヨーグルトは一般的に生乳、脱脂粉乳、クリームなどを原料として作られますが、「小岩井生乳100%ヨーグルト」は生乳のみを使用しています。

味 ~やわらかな酸味
ヨーグルトは、乳酸菌が生乳や脱脂粉乳を発酵させることでつくられます。発酵とは、乳酸菌が増殖するエネルギーを得るために、生乳や脱脂粉乳に含まれる糖類を分解する過程のことです。
さてヨーグルトの酸味は、発酵の際に乳酸菌がつくり出す乳酸がもとになっています。「小岩井生乳100%ヨーグルト」は、乳酸を多くつくらない乳酸菌で発酵させるため、酸味がやわらかいのが特長です。砂糖を入れずにシンプルに味わえます。

製法 ~長時間発酵
「小岩井生乳100%ヨーグルト」は長時間かけてじっくりと発酵させます。発酵がゆっくりと行われることでなめらかな口当たりになります。また発酵臭も強くならないため、牛乳のやさしい香りが楽しめます。

パッケージ ~ユニークな三角形
400g・200gともに三角形のパッケージです。注ぎやすさを考えたこのユニークな形は業界唯一です。

厚生労働大臣許可 特定保健用食品
生きたビフィズス菌(ビフィドバクテリウム・ラクティスBB-12)の働きにより腸内の環境を改善し、おなかの調子を良好に保ちます。2004年12月に特定保健用食品の許可を受けました。

商 品 名 小岩井生乳100%ヨーグルト
種 類 別 発酵乳
容 量 400g 200g
希望小売価格 260円(税込273円) 150円(税込157円)
保存方法 要冷蔵10℃以下
賞味期限 22日間
販売地域 全国(沖縄を除く)


●このリリースに関するお問い合わせ先
 小岩井乳業株式会社 広報部 広報担当
 東京都 千代田区 鍛冶町 2-6-1 堀内ビル5F〈TEL:03-5209-7884〉

●お客様からのお問い合わせ先
 小岩井乳業株式会社 お客様相談室〈TEL:0120-171766(フリーダイヤル)〉

以上
ページTOP▲